2019年春アニメ 途中経過

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2019年4月〜6月期のアニメシリーズの、僕が現在見た話数までの評価です。

第1話時点での評価はこちらをご覧ください。また評価基準についてはこちらをご覧ください

途中までのネタバレは当然含んでますので、その点ご了承ください。

 

ではいきましょー!

 

 

 

A+ → A さらざんまい

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5話まで。

度肝を抜かれた第1話でしたが、その後はいくつかの同じシークエンスを使って各話を構成する方針だと判明したわけですね。それ自体は悪くないのですが、今作の場合はちょっと退屈です。特に「カワウソイヤァ」と「さらざんまいのうた」のシークエンスは多少の変化をつけてはいるものの、それが微妙すぎます。映像的な面白さか文脈的な面白さの、せめてどちらかは追求してほしかったところですね。

 

しかし全体の品質はとても安定しています。作画や美術は見所が多いですし、音楽は前回述べた通り相変わらずの素晴らしい仕事です。毎回Cパートがありますが、そこでギョッとさせる展開をちゃんと用意しているシリーズ構成も良いですね。

4話のラストが結構好きです。悠が真面目な話をしている中で一稀とケッピがモロキューをボリボリ食ってて、決め台詞の「ブスっといくぞ」のときにきゅうりがみじん切りになって宙を舞うという。

 

 

 

なんて言ったらいいんでしょうかね、このバカバカしさを。ギャグっちゃギャグなんですが、話の本筋と全然無関係のところでこういう魅せるコンテを作ってくれるのが僕にはすごく嬉しいです。まあ一見してシュールギャグにしか見えないようで実は大事な伏線になってる、というのがイクニ監督の恐ろしいところではありますが。

悠のお兄さんの誓がタバコではなくキャンディーを咥えてる描写ですが、両親の遺影の前にキャンディーが供えられてたことから、その意志を受け継ごうという気持ちの表れなのかなと思いますが、ひょっとしたら「ワンピースのサンジチュッパチャップス問題」に対する皮肉なのかなとも邪推してしまいます。海外ではタバコ描写がNGなのでその代わりにチュッパチャップスを使ったという有名なあれですが、そういう表現規制の馬鹿馬鹿しさ(先ほどのバカバカしさとは真逆です)を逆手にとって、「本編の中で理屈を整えて、ハードボイルドなキャラに敢えてキャンディーを咥えさせる」のを描きたかったのかなと思いました。まあ完全な妄想ですけどねこれは。

 

5話で物語が結構大きく動いてきたので、これからが楽しみです。あと、

 

 

燕太のお姉ちゃんが可愛くて好きなのでもっと出番増やして

 

 

B+ 鬼滅の刃

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6話まで。

第1話のときに演出や音楽の使い方についての不安を書きましたが、2話以降は良かったです。ここまでずっと高品質な仕上がりを維持しています。5話のこのシーンは良かったですね。ねずこが扉を蹴破る登場も良いし、炭治郎を抱きかかえるときでも表情が変わらないのもいい。音楽の力もあって、とても泣けるシーンでした。

その後の風鈴おじさんのシーンはなんだか妙な面白さがありました。炭治郎の刀が黒く変色するところから音楽が始まって、その後なんとも言えないギャグ描写になって音楽もおちゃらけた雰囲気に変わるのですが、その後カラスが入ってきて事件の描写につながるところが壮大な音楽にまた変わって、ここまで全部一つの音楽で繋がってるんですよね。まさかここフィルムスコアリング(映像ができた後で音楽を作る)してるんじゃないだろうなというくらい自然に繋がっていましたが、なんでこんな場面でこんなに力が入ってるのか全然わからないというのが妙に面白いです。

 

それと語るべきはあの斬撃のエフェクトですね。OPで描かれている刀から出てくる北斎風の水のエフェクトですが、本編でも登場してきました。原作がどうなっているのかは知らないのですが、アニメでは新しい表現でとても面白いと思います。

 

 

 

これですね。目を引く表現でありながら画面で変に浮いてしまうこともなく、いい感じです。

6話がちょっとコンテがダルかったので少し残念ですが、ねずこの可愛らしい描写が多かったのはいいですね。ほんといいキャラクターを作ったものだなと思います。

 

 

B+ → C キャロル&チューズデイ

 

 

5話まで。嫌な予感がバッチリ当たった感じですね。

第2話で既にガッカリしてました。人気のあるDJアーティガンが初登場したわけですが、遥か未来の火星という舞台でAIが作っている音楽というのがモロに現在のEDMのスタイル、さらに言うなら今でさえ既に古臭く感じる音楽という、だったら素直に舞台を現代にしておけよと思わずにはいられません。仮にも音楽がテーマの作品ならこういうところを真面目に作り込もうという気概を見せてほしいものです。

 

ただ、そもそも自分の見方が間違ってる可能性はあります。というのは第4話が相当ふざけた作りになってるからですね。これをむしろやりたかったと言うならまあわからないでもないです。つまり最初から真面目な作風で作るつもりはさらさらなく、火星やら未来やらAIというのはただ単に珍しい異世界的な舞台が欲しかっただけであって、根本はドタバタコメディーだということですね。

だったら第1話からその方向性を示しておけよって思うんです。第4話になって突然AIとは名ばかりの古臭いロボットキャラを出すくらいなら最初から出せばいいし、脚本も荒唐無稽に書けばいい。もっとも僕の場合はそれだったら第1話で切ってた可能性は高いので、やはりそれは危険だという制作側の判断があったのかもしれませんが。いずれにしろ今の段階ではこのチグハグさ、いい加減さが気に入らないですね。

2クールものらしいので、こんな調子だと中断する可能性は高いです。

 

 

B フルーツバスケット 1st season

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5話まで。とても好印象で安定しています。

第1話評のときにも言及した「時代のノリ」ですが、もちろんギャグの描写やキャラクター造形などに古臭さを感じる部分もありますが、演出は現代的な雰囲気に寄せているので悪くないバランスだと思います。作画も丁寧で良いですね。

 

しかしなんと言っても声が良いですね。主人公・透の石見舞菜香は素晴らしいキャスティングだと思います。この作品はとにかく透のセリフが多くて、作品のクオリティの結構な割合を占める重責を担っているわけですが、今回の企画にとってほぼ理想に近い声だと僕は思っています。前作の堀江由衣がとてもハマり役でそれだけで既にハードルが高かったのですが、「他人の存在と自身の境遇をどこまでも肯定的に捉えようとする」透の、柔らかさ・純粋さ・不器用さみたいなものがとてもよく表現できています。

草摩家の男3人の声もいいですね。今はまだ典型的な描写にとどまっていますが、これから各人の複雑な内面を描いていくにあたって声の作り方がどうなっていくのか、とても期待がもてます。

 

ただOPがあまり好きではないので、できれば今クール終わった後で変更してほしいところではありますね。前作の影響もあり、いわゆる「アニソン」から遠ざかろうとする気持ちはわかるのですが、こういう方向ではないと思うんですがね。

 

 

C この世の果てで恋を唄う少女YU-NO

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6話まで。Cとはいえ結構Dに近いです。

あまり期待していないとはいえ、も少しなんとかならんかなーといった感じ。特に5話の死に芸はひどかったですね。あのやり方では「運命が回避できない苦難」の描写ではなく死に芸大喜利にしかならないのは明らかでしょう。とにかく全体に漂うチープ感が見ていてなかなかつらいです。

音楽は今のところ梅本アレンジ曲が少ないですね。1話につき1曲あるかないかでしょうか。アレンジしているとはいえ強い個性が残っているので、知らない人でもその異質さに気付きやすいと思います。

まあせめて1話か2話くらいコンテ・演出が凝ってる回が登場するのを祈って見続けましょう。

 

 

D Fairy gone フェアリーゴーン

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6話まで。

一言で言うなら終始かっこつけようとしてスベってる感じでしょうか。戦闘シーンの挿入歌やビターの下手くそな皮肉、地名や人名固有名詞の乱発など、あらゆる要素が逆効果になってるという印象です。キャラクターデザインもこういうスカしたものにしたいなら、もっと表情や動きやキメのカットを作り込んで差別化しないと、結局どのキャラクターも印象が薄くてただでさえわかりづらい相関図を追う気力を失わせます。

この作品はすでに失敗していると断言してしまいますが、じゃあ一番の原因は何なのかを分析するのはそれなりに興味深いです。分割2クールもので僕は多分次のクールは追わなくなりそうですが、前半が終わった段階でまた改めて考えてみようと思います。

 

 

以上! 今回載せてないタイトルは全て視聴中断しました。

ちなみに『進撃の巨人』も見てます。あちらは素直に面白くて僕の中の評価も高いのですが、長編作品でちょっと例外的な扱いになるので、今期最終評のときに少し語る程度にしておきます。前期の続きで『どろろ』もちょくちょく見ていますが、今のところ相変わらずという感じですね。

 

いつも通り、ご意見は大歓迎です。「お前は全然わかってねーな!」というお叱りをお待ちしています。もちろん挙げた以外に面白い作品があればそれも教えてください。