2019年冬アニメ 途中経過

スポンサーリンク

2019年1月〜3月期のアニメシリーズの、僕が現在見た話数までの評価です。

第1話時点での評価はこちらをご覧ください。また評価基準についてはこちらをご覧ください

途中までのネタバレは当然含んでますので、その点ご了承ください。

 

ではいきましょー!

 

 

A+ → A 荒野のコトブキ飛行隊

Amazonで見る

 

4話まで。このキリエのカットは3話のですが、すごく好きですね。

正直なところ、現時点では第1話が一番良かったです。何度見直してもよく出来てます。できればなるべく水島監督にコンテ切ってほしいんですが、なかなか難しいのでしょう。特に第2話の乱闘のシーンがいまいちだったので、あれで人が離れたら残念ですね。2Dと3Dの併用は今後他作品でも課題になってくるでしょう。

ただそれでも十分面白いのは変わりありません。空戦は相変わらず迫力抜群ですし、各話でそれぞれ違った飛行技術や連携技術が登場してきて、細かい描写に非常に気を配ってるのがわかります。4話の渓谷を縫うように飛行するシーンが映画的でとても良いですね。

しかしわかりやすさとのバランスが難しいところですね。例えば『ガルパン』の場合だと、みほが作戦指示を口頭でしてくれるので、どうやって戦術を練っているのか素人でもわかりやすかった部分もありますが、今作では戦闘中に説明の入る余地がないので、戦いの中でどういう工夫がなされているのか、詳しい人でなければ一瞬では理解できません。「よくわかんないけど、なんかかっこいい!」というのがある意味で理想なのですが、それを実現させるのは案外難しいものです。

 

6人娘の描写についてはエピソードの中にうまく組み込まれていて、ここらへんはさすがだなと思います。一応各話で目立つキャラはいますが、それだけじゃなく何気ないやりとりの中で関係性や過去が少しずつ明らかになっていくのが良いです。

第1話ラストの「その昔、世界の底が抜けて、そこから色々なものが降って来た」というのが何を意味しているのか、それをどう明らかにしていくのかが楽しみですね。

 

おっと大事なことを忘れてました。Youtubeで公式の解説動画が上がってますので、第4話まで見終わった後で是非見ましょうね。

『荒野のコトブキ飛行隊』イジツ見聞録~戦闘機編~

『荒野のコトブキ飛行隊』イジツ見聞録~世界編~

 

 

A かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~

 

 

4話まで。相変わらず素晴らしいクオリティです。

第3話は例のエンディングだけじゃなくてエピソードとしてもよく出来ていたので、これはA+にしようか悩んだのですが、第4話のパーティーの部分が少しいまいちでしたね。フランス語はとても頑張っていましたが、まあこれを面白く映像にするのは難しいだろうなと、原作を読んだことがない自分でも思います。その前の執事の早坂(声: 花守ゆみり)との絡みは面白かったですけどね。

それにしても千花の声(小原好美)は非常に素晴らしいです。彼女を初めて知ったのは新版『魔法陣グルグル』でのククリ役でしたが、そのときから声質も演技も良いなあと思っていました。その次は『あそびあそばせ』の香純ですね。これもまた良かった。彼女の声を聞くためだけに見てもいいくらいです。

 

問題というか、難しい点があるとすればナレーションでしょう。今でも既に賛否両論ありますが、僕としては決して悪くはないと思ってます。童貞エピソードのときの「今は!」のところなんかは非常に良かったですからね。ここらへんの舵取りも今後の見どころですね。

 

 

A 約束のネバーランド

Amazonで見る

 

 

5話まで。コンテ・演出は今期一番でしょう。各話でそれぞれ演出にこだわってるのが非常に好感が持てます。

「なんでこのサムネイルなんだよ」と思われるかもしれませんが、これは重要なポイントです。僕は原作を読んでない立場で話すのですが、アニメではそこまで頻繁ではないですが時々こういうデフォルメ的、ギャグ的なカットが入ります。それも明らかなギャグシーンとかではなく、割と真面目な会話をしているときでも挟み込むんですね。

僕はこの「かるみ」が非常に素晴らしいと思ってます。この作品、やり方によってはもっと深刻に、もっと見ている方に緊張感を強いるように作ることも出来たはずです。例えば『進撃の巨人』のように。しかしそうはしなかった。深刻な内容をそのまま描かず、しかしその深刻さを失わせることなく「軽妙に」描いている。これが良いんですね。当たり前ですがこれは実に微妙なバランスの上で成り立っているものです。これが崩れて失敗している作品は山ほどあります。敢えて挙げたりはしませんが。ちなみに前期の『ゴールデンカムイ』はそれが最もうまくいった例と言えるでしょうね。

もちろんシリアス一直線でもいいんです。そういう名作もたくさんあります。しかし緊張と弛緩のバランスをうまく操りながら「かるみ」を含んだ作品は、「愛されやすい」のです。『ガルパン劇場版』がなぜあれほど愛されているのか、その大きな理由の一つがこれです。これは他のどんな分野においても同じです。音楽でもまさに同じことが言えます。

ここまで書いておいてなんですが、これは非常に重要な話なのでいつか「重い話」カテゴリーで改めて書きます。ほんと例を挙げだしたらキリがない…

 

まあとにかく、この作品はそれが実にうまくいってます、今のところ。

それと音楽ですよ音楽。これもまた今期一番だと思ってます。第1話での鬼ごっこシーンの音楽が素晴らしいと以前に書きましたが、第3話の鬼ごっこ訓練シーンでは同じモチーフを使ったアレンジが使われています。初見時は鳥肌モノでしたね。ここは音楽そのものもそうですが、始まり方と終わり方も完璧でした。5話のノーマンとレイの会話後半のところも素晴らしいですね。

作曲は小畑貴裕さん。アニメはまだ担当本数が少ないので存じ上げませんでした。今後が楽しみな作曲家です。

 

 

B → C どろろ

Amazonで見る

 

4話まで。ランクダウンです。

ここまでで見どころらしいものがほとんどないのが残念です。各話エピソードもよくあるものですし、コンテ・演出も平凡です。前にも書きましたが音楽を極端に使わないんですよねこれ。後述する『ブギーポップ』の牛尾憲輔にこれを担当させたらどうなってたのか、非常に見てみたかったです。

とにかく全体としてパッとしない。大きな原因はコンテと音楽だと思いますが、シナリオも今のところは疑問符が多い。機会があれば原作を読んでみたいところですね。もちろん見るからに原作の忠実な再現をする方針でないのは明らかですから、どういうプロデュースをしたのか興味があります。

 

 

C ブギーポップは笑わない

Amazonで見る

 

6話まで。相変わらずアニメ全体のクオリティは低めなのですが、シナリオに対する多少の興味だけで見てます。

第5話は妙な面白さがありましたね。安能慎二郎というのは結果的にはかわいそうなキャラなのですが、描き方は多少コミカルで不憫めいていて、それは面白かったです。

音楽は相変わらずブチブチ切られて、僕は気に入らないです。『荒野』と『約束』の音楽の使い方を見習ってほしいものです。せっかくの牛尾憲輔サウンドが本当にもったいない。

前回ブギーポップの演技の仕方について書きましたが、今Wikipediaを見てみたら悠木碧がインタビューを受けたときの内容が書かれてました。ちょっと引用します。

 

「ブギーポップは無表情だけど、もっと口上みたいに、朗々と歌い上げるような感じのほうが嘘っぽくて不気味な異世界感が出ていい。でもアンニュイな印象は残してほしい」という指示が出された[4]。悠木はその時の様子について「ただ、その指示をオーディション中に言われたときは、もはや何を言われているのかよくわからなくて超やぶれかぶれで「こんな感じだろう」と思ってやってみたんです。でも結果受かっていたので、「受かったんですか? 本当に?」と疑いました(笑)。」
アフレコの際、悠木がオーディションの時よりも抑えてブギーポップを演じたところ、歌い上げるよう指示が出された[4]。凪役の大西によると、音響監督から出された指示は「歌い上げる感じで、精神的には男の子っぽい感じもあっていいけど、あんまりそういう感じは出さないで」というものだったという[4]

なるほど。まあここまでの話数を見ていればキャラクターもつかめてきて、その話ぶりに納得する部分もありますが、では果たして声のトーンを変えずに普通のテンポで喋ったら、本当に良くはならなかったのか? 引用冒頭の「嘘っぽくて不気味な異世界感」が問題の焦点ですね。

僕が言いたいのは、第1話での初登場シーンでの印象がとにかく良くないということです。今改めて見てみてもやはり違和感があります。ここでは「歌い上げる」という風には聞こえず、嘘っぽさは演技の嘘っぽさであり、「言わんとしていることに耳を傾けようという気をなくさせる」ような喋り方としか僕には思えません。後からその口調にそれなりに納得がいくものだとしても、初登場の印象を引きずり続けるのは絶対に良くない。少なくともこの部分についてはミスディレクションだったと断言します。

全体としてこの方向のディレクションが良かったのかは最後まで見て考えましょう。でも最後まで見るのかな…

 

 

C ケムリクサ

Amazonで見る

 

5話まで。今も第1話での印象からさほど変わってません。

わかばのキャラクターに対する好き嫌いはともかく、あの喋り方のせいでテンポが悪くなってるのはよろしくないですね。イジり方とそのリアクションもワンパターンなので、茶番感が強くなってます。

あとは背景・画面が似たような調子でずっと続くので、それも飽き易さにつながってます。暗い画面を続けるのはすごく難しいので工夫を凝らさないといけないところですが、そういうのも特になく。これに関しては開き直っていいポイントではないと思います。

5話ラストで新キャラが登場して、それでもって今後の内容の展開が加速するといいのですが。今のところ挽回はあまり期待できません。

 

 

C revisions リヴィジョンズ

 

 

5話まで。このサムネイルにするのは当然です。3Dアニメの入浴シーンってかなり貴重じゃないですか? 技術的関心に基づくものでやましい気持ちは一切ありません

途中で警察内の派閥争いを描くポリティカルSF路線にいくのかと思われましたが、それは案外あっさり片付いてしまいましたね。まあまだどちらの未来人とも情報が少なすぎるので、今後また再燃するかもしれませんが。

しかしフルCGでポリティカルSFというと『正解するカド』という非常に苦い記憶が蘇りますね… って思って5話を見たら

 

 

やっぱりカドじゃねーか! ほんとにネタにしてるんじゃないかと疑ってます。

 

目下の見どころは二つ。一つは当然「未来人が隠してる情報は何なのか」、5話のラストで早速モンスターだと思っていたものが実は、という展開がやってきました。一度はアーヴと敵対する瞬間がやってくるでしょう、それをどう描くのか。

もう一つは、僕はこちらのほうが重要なのですが、「主人公のキャラクター設計にどうケリをつけるのか」。主人公については前回の第1話評のときに書いたとおりです。これはただ単に「ちょっと調子者だけど根は優しい奴」みたいな終わらせ方をするのが許されていない設計なのです。彼の性質によって必ずや自身の破滅を招くことになり、その後それを受けてどうなっていくのか、を描かなければいけません。

シナリオというのはそういうものです。やるべきことをやった上で、さらなる展開を加えたり裏切ったりするのが良いシナリオです。それをやらずに別なことをやろうとするのは論外です。『正解するカド』は一言で言えばその論外にあたる作品です。

CGは相変わらずわざとらしさが目につきますが、戦闘シーンに関しては悪くありません。銭湯シーンも悪くありません。(天丼)

 

 

C ドメスティックな彼女

D けものフレンズ2

上記2作品はいずれも第2話で視聴中断しました。

 

 

以上です。やっぱり書くのに5時間かかってますね。(呆れ)

Aの3作品は僕の中ではどれが一番かを決めるのが難しいくらい競ってます。是非一度ご覧あれ。

いつも通り、ご意見は大歓迎です