京都アニメーション放火事件に寄せて

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日本時間の7月18日午前、京都アニメーションの火災事件が発生。僕はフランス時間の午前9時頃に友人から知らせを受けました。第一報ですら目を疑うばかりでしたが、その後発表されていく死傷者数はどんどん増えていき、とても現実に起きたこととは思えませんでした。

 

亡くなられた方々のご冥福をお祈り申し上げますと共に、負傷された方々が少しでも早く回復されますことを願って已みません。

 

天災でもなく不慮の事故でもなく、ただ一人の人間の悪意によってこれほどの被害がもたらされたことが、未だに信じられません。

亡くなった方や負傷した方は皆豊かな才能と情熱を持ち、日本とそして世界に高品質の作品を届けるべく仕事に取り組んでいたはずです。その誠実な姿をこれまで側で見てきた人たちが負った心の傷の深さは、想像するだけで気が狂いそうになります。到底受け入れられない絶望の淵に彼らがいることを知りながら、それでも現実にはこうして想いを寄せることしか自分には出来ないことが本当に悔やまれます。

 

会社の再建や制作体制の立て直しを考えるにはしばらく時間がかかるでしょう。京都アニメーションと、日本のアニメ界のファンの一人としては、もし彼らが再建を志し正式に支援を求めてきたならば、自分の出来る限りのことをするしかありません。世界中のファンが僕と同じ気持ちでいると思います。

 

失われた人命とその才能、そして財産は二度と取り返しがつきません。しかし創造の魂の火だけは絶対に消えさせてはなりません。悪意や理不尽に踏み潰されても、力を合わせて立ち上がってきた歴史が日本にはあります。世界中にいる未来の創造者たちのために、京都アニメーションが力強く復活することを願い、自分に出来ることを果たそうと思います。

 

了三