4月14日(お花見)

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これは例のノートルダム火災の前の話なんですが、色々あって書くのが遅れてしまいました。

3月の終わり頃に日本人コミュニティー掲示板で「お花見やるのでメンバー募集〜」というのがあったので、面白そうだと思って連絡とってみたんですね。その後LINEのグループに参加したのですが、日本人だけじゃなくて日本語を勉強しているフランス人も何名かいるようです。でも彼らがどの程度話せるのかはわからなかったので、会話は全員フランス語でした。グループの人数はだいたい15人くらいでしたかね、おお結構大所帯の集まりになりそうだな、とそのときは思いました。

 

そして当日の朝。天気は悪くないのですが、最高気温が14度前後だったので、お花見をするにはちょっと寒いですね。集合は13時だったのですが、寒くなりそうなのを察知してなのか何なのか、一人また一人と「やっぱり今日参加できませんー」みたいなメッセージが午前中に続きました。

「あれー、今日中止なのかな」と思っていたら、フローランが「もう出発したよー」と言ったのを皮切りに、次々と出発報告が続いたので、一安心です。ああよかった、きっとフローランは空気を読んでくれたのでしょう、いい人ですね。まだ会ったこともないですが。

 

場所はパリから電車で15分ほど南に行くところにある、ソー公園です。Wikipediaにも花見の名所と書かれていますね。

時間通りに待ち合わせの駅に着くと、それっぽい人たちがいたので声をかけます。おお、彼がフローランか。長髪を後ろで結んでいる、スタイルの良いイケメンです。男性は僕とフローランの二人、あとは日本人女性が四人です。

「なんか朝から今日行けませんみたいなのばっかりだったから、中止になるのかなと思っちゃったよ」
「ねー。でもよかったね集まれて」
「まあこういうのよくあるんだけどね。結局来ないっていう。LINEのグループにも無反応の人いるし」

前にアブデル氏会談のときも書きましたが、コミュニティーで連絡を取り合ってもドタキャンや急に音信不通みたいなことは珍しくないようですね。いつも僕が不審がられて避けられてるわけじゃなさそうで少し安心しました。(それが否定されたとは言っていない)

 

その後公園に向かっている途中で合流した人たちなんかも含めて、最終的に12人集まったので、十分賑やかですね。

それにしても驚いたのはフローランがとても日本語が上手なことですね。最初に会ったときからかなり自然な発音で喋っていたので、ついそれに甘えてずっと日本語で彼と話していました。

僕『いや本当に日本語上手だね。いつから勉強してるの?』
フロ「7年前くらいかな。最初は大学の授業で習ったんだけど、そのときは全然身につかなかった」
わかる。自分も大学のときにフランス語とってたけど、その時は将来フランスに行くなんて考えてなかったから、ただ時間を無駄にしただけだった。やっぱり目的意識なく言葉を学ぶのは無理だね』
「そのあとは、自分である程度勉強したあとは、とにかく人と話すようにしたよ」
『すごいよ本当。それだけ話せたら日本でも普通に仕事できるよ。行く予定はあるの?』
「うん、5月から、まず台湾に寄るけど、そのあとは札幌に行く予定」
え!? 俺札幌から来たんだよ』
「おー、マジで? びっくりだね」

外国人に「マジで」とかって言われると嬉しくなっちゃいますね。どうやら彼の友人が札幌でカフェを開く計画を立てていて、それの旗揚げを手伝うみたいです。札幌の皆さん、フランスのイケメンがカフェ開くってよ。行かないとねーこれは。

 

そんな感じで話しているうちに公園に到着。

 

 

 

気温は確かに高くないですが、日が当たっているときは暖かくてよかったです。途中で大きな泉がありました。

 

 

ベルサイユ宮殿を彷彿とさせる、見晴らしの良い庭園ですね。花見じゃなくても十分散歩したくなりますね。

公園はかなり広くて、10分ほど歩いて白い桜のエリアに到着しました。

 

 

 

とても綺麗でしたねー。この桜は昔日本から贈られたもののようですが、僕は全然詳しくないので品種まではわかりません。少なくとも札幌ではあまり見ない種類のような気がするのですが。

ここで腰を下ろしても良かったのですが、遠くの方にピンクっぽいエリアが見えたので、そちらに行ってみることに。

 

 

 

 

着いた途端に「うわ!」と声を漏らしてしまうほど、びっくりしました。いやまさかこんな規模で桜が並んでるとは思わなかったんです。それにものすごい人の数。さっきの白い桜のエリアは何だったんだというくらいこちらに人が集中しています。

日本の国旗が見えますが、実は僕が参加したグループ以外にもいくつかお花見の案内があったのです。中には日仏交流会みたいな公のコミュニティーもあって、そういう団体が目印に国旗を掲げているようです。

 

私が司会です。

 

 

 

空いている適当な場所に腰を下ろします。さすが女性陣は敷物を用意していらっしゃいました。僕は全然そんなこと考えてませんでした。飲み物や食べ物を各自持ち寄ることになっていたので、僕は中央のビールセット2つを持ってきました。重かったんですが、酒が足りなくなるのは嫌ですからね。どってことありません。

 

さあ宴会の始まりです。最終的なメンバーでも日本人男性は僕だけでした。あとはフローランの他にフランス人男性が2人、フランス人女性が2人、それ以外は日本人女性という感じです。日本人メンバーは働いてる人やこっちで結婚した奥様方なので、基本的にある程度フランス語が話せます。フランス人の方は日本語を勉強してはいるものの、喋るのはなかなか難しいという感じだったので、日本語7割、フランス語3割くらいで全体的に話していました。

 

僕はフローランの日本語レベルに感心しきりだったのですが、なんとそれ以上の人がいたんですね。それがジャック、僕と同じヒゲメガネボウズです。やはり惹かれ合う運命(さだめ)

ジャックの日本語は半端ないです。声だけ聞いてたら本当に日本人と区別がつかないレベルです。なんというか、喋ってる内容はもちろん、テンポとか抑揚とか、そういうのが完璧に身についてるんですよね。言うなればデーブスペクター並かそれ以上というレベルです。

ジャック「どっから来たの?」
僕『札幌だよ。知ってる?』
ジャック「もちろん。田舎から来たんだね
僕『おお! うわすごいね、よくサラリと出てくるねそういうの』
ジャック「冗談冗談。俺の生まれの方が断然田舎だから」

終始こんな感じでしたね。いやー、あと何年勉強したってこのレベルでフランス語が話せるようになるとはとても思えない。信じられないですね。

聞いてみると彼はフランスの大学から日本の大学へ編入し、その後日本人なら誰でも知ってるあの大企業に就職して、3、4年ほど働いていたそうです。それを聞いて少し納得しましたね、あそこで働いてたならそれだけ喋れるのも頷ける… 僕はそこで働くのは絶対無理です。

 

その後軽快にジョークを飛ばして、ある女性から「こら! 失礼か!」と(もちろん笑って)ツッコまれたときに、ヘコヘコしながら

ジャック「サーセン! では、この汚い口を清めさせて頂きます

と言ってビールを一気にあおってました。どこで覚えたんだよそんなの。でもこういうのいかにもやりそうな会社です、彼がいたのは。

 

食べ物がなくなってきたなーという頃に、フローランが手作りのお菓子を披露してくれました。彼はパティシエなんですね。

 

 

りんごのタルトですね。すっごい美味しそうな見た目でしょう? 味はもっと美味しかったんですよこれが…

僕『うわー、すごい美味しい! お願い、札幌でもこれ作ってくれ! 絶対売れるって!』
フロ「うーん、ガトーを出すかどうかは決まってないからね。そもそも開店自体がどうなるか」

オシャレカフェがブームになってる札幌で、フランスのイケメンパティシエがケーキ作ってるカフェが人気出ないわけがないでしょう。ただどうやら彼の友人はパフェを考えてるみたいですね。そうきたか。確かにパフェもブームですからね。

 

これは札幌だけの文化なのかどうか知りませんが、前に友人と飲んだあとで「締めパフェ」の店へ行ったことがあるんですよ。僕だってそのとき初めて知りましたが、飲んだあとでいわゆる「締めのラーメン」とかの代わりにパフェを食うってことですね。もちろん女性がターゲットですが、男性客も少なくないとか。しかし店に入ってメニュー見て驚愕しましたよ僕は。パフェ一つで1300円とか1500円とるんか!? ってね。

これを女友達に話したら「まあそれぐらいは普通だよー。材料とか結構凝ってるんだから!」って言われましたが、いや普通じゃねえって。昔びっくりドンキーにあったメリーゴーランドは300円だぞ? 白玉とか入ってて好きでしたよ僕は。これをジャックに話したら彼は「ぼったくりやろそれえ!」って同調してくれました。せやろ?

 

 

 

 

家族づれで来ている人もたくさんいます。2枚目の方にはロックマンが写ってますね。僕は「あれロックマンだよ!」と言ったのですが、お花見メンバーは誰一人知らず。あれー? まあアメリカの方が知られてるのかな。

どうもパリではお花見のときにコスプレをする人も多いとか。この日も5、6人はコスプレイヤーを見かけました。「いや花見と全然関係ないやん」って思いますが、ハロウィンのときに乱痴気騒ぎしている日本人が言えた口ではないでしょうね。まあこんな綺麗に桜が撮れる場所も珍しいので、コスプレして写真を撮るのは道理とも言えるでしょう。

 

 

そんな具合で、非常に楽しいお花見でした。ほとんどの人がお互い初対面ながら打ち解けて、「また集まりたいねー」なんて話してたので、嬉しいですね。ジャックは音楽が好きで、僕が音楽を勉強していると聞くやすごい食いついてきて色々話したがっていたので、今後も彼とは個人的に会うことになるでしょうね。