ブラームス: 交響曲第4番 他 -Orchestre Pasdeloup 2/24@PdP [5.0]

2月24日、フィルハーモニー・ドゥ・パリで行われた、オーケストラ・パドゥルーのコンサートに行ってきました。Wikipediaによると、現存するフランス最古のオーケストラのようですね。

 

プログラム

1. Elzbieta Sikora (1943-) «Miniatures» (2013)
2. シューマン: ピアノ協奏曲
3. ブラームス: 交響曲第4番

 

最初だけ新曲で、あとはオーソドックスなプログラムです。

1曲目。作曲者はウクライナ出身の女性。ポーランドで音楽を学んだ後、パリで電子音楽を学んだそうです。そのとき師事していたのがシェフェールベイルという、この分野で伝説的な二人なので、経歴を見ててちょっと驚きました。

しかし今回の作品は電子音楽の要素はなく、打楽器以外の特殊奏法すら全くないオーケストラ作品でした。調性的ではないけれどハーモニックな作品、リズム点も平易なので、誰にでも比較的聴きやすい作品だったと思います。音響も構成もそれほど目を引くものはなかったのですが、後述するようにオーケストラの演奏に問題があった可能性はあります。最後は水平に置かれたバスドラムの上からピンポン球を10個くらいぽとぽと落とすというので終わりました。あれは初めて見ましたね、見た目以上の面白さはなかったですが。

 

続いてシューマンのコンチェルト。これは大変有名な作品で、僕も大学時代にヴァイオリンで演奏した思い出深い曲です。ソリストはフランス人のFrançois Dumontという人でしたが、率直に言うと地味。終始あまりコンチェルトに向いてない演奏でした。音がオーケストラに負けているということはないのですが、華やかさがなく、かといって音の深みを追求するでもなく、さらりと弾いてるわりにミスタッチもあるという、よくわからない演奏。妙なルバート(テンポの揺らぎ)のかけかたも好ましくない。残念でしたねこれは。

 

最後はブラームス。Wikipediaによると、ブラームスが自身の最高傑作と言っていたようですね。確かに僕も4つの中では一番好きです。昔は第1番が一等好きでした。初めてあの曲を聴いて衝撃を受けない人はいないでしょう。

Youtubeを漁っていたらバーンスタインがこの作品について語ってる動画がありました。日本語字幕付きで非常にありがたいですね。さすが、簡潔にして含蓄のあるコメントです。12:00〜演奏、僕の好きな第2楽章は25:50〜です。

 

Brahms: Symphony No.4 【with Commentary】 / Bernstein Wiener Philharmoniker (1981 Movie Live)

 

問題は(動画ではなくコンサートの)演奏なんですが… まず弦楽器の質がそれほど良くなかったです。この前のライプツィヒ・ゲヴァントハウスと比べるのはあまりに酷ですが、誰が聞いてもわかるほどのレベルの違いですね。もちろんあらゆるオーケストラ作品は弦楽器が重要ですが、とりわけブラームスにおいてはその重要性が極めて高いので、弦楽器が良くないともう終わりなんです。

それとティンパニーも良くなかった。これまたゲヴァントハウスのようなパリッとした響きとは対照的で、出音が楽想に合ってない部分が多かったです。ただトライアングルは良かったですね。バーンスタインも言ってるように3楽章でトライアングルが大活躍するのですが、そこはとても良かった。あれ正確に決めるのは地味に難しいと思うのですが、いい仕事してました。

オーケストラの質そのものはどうしようもない部分もあるので、それに合わせた指揮で別の魅せ方もありそうなものですが、全体的に直球というかオーソドックスな演奏で貫き通していたので、それが余計退屈な感じを助長させてましたね。

 

 

この写真だとわかりづらいですが、弦楽器と管楽器のセクションの間の位置にカメラマンがいて演奏中も堂々と指揮者を撮り続けていたんですよ。そりゃその位置からだったら良い宣伝写真を撮れるのかもしれんけど、流行り言葉で言えば「そういうとこやぞ」って言いたくなる感じはあります。まずは本質に力を入れろよと。

 

日曜夕方のコンサートということもあってかお客さんは大入りでしたが、内容はちょっと残念でしたね。歴史あるオーケストラみたいですから、それに恥じない演奏を今後は期待したいです。