パリのラジオフランスで開催中の現代音楽フェスティバル、Festival Présences 2020の第5日目の紹介記事です。今年の特集作曲家、ジョージ・ベンジャミンについては初日の記事をご覧ください。前回はこちら。
この日はなんとフェスティバルのイベントが同じ時間で被っていました。一つはフィルハーモニー・ドゥ・パリでベンジャミンのオペラ、もう一つはラジオフランスでアクースモニウムのコンサート。どちらにするか迷うところですが、まあオペラの方は後でフランスミュージックでも聴けるし、チケット高いしということでアクースモニウムの方へ行ってきました。
おそらく今回のコンサートはフランスミュージックで配信はされないと思います。でも配信するほどのクオリティではなかったのでご安心ください。
一方オペラの方は既に配信されています。Vendredi 14 février 2020 の日付の“Written on skin”というタイトルです。興味のある方は特集ページからどうぞ。
2つのコンサートがあったので順に紹介していきます。
実は電車を一本ギリギリで逃してしまい、到着が遅れたので最初のベンジャミンの作品を聴き逃してしまいました。それで本来の予約座席じゃないところへ案内されたんですが、なんとその席の隣にクラスメートのテオがいました。そんな偶然あるかいな。お互い「ええ!?」みたいに顔を見合わせてしまいました。そんな中で2曲目が始まりました。
2. Laurence Osborn (1989-): «Absorber» (2019) ※国内初演
3. Rocio Cano Valino (1991-): «Okno» (2019) ※世界初演
ラジオフランスの委嘱作品。「ガシャコン」
4. Ivo Malec (1925-2019): «Week-end» (1982)
ブーレーズと同い年の電子音楽界の巨匠、イヴォ・マレックの作品。去年の夏に亡くなって、これまでも色々と追悼演奏会が行われました。
2部に分かれていて、
5. Jonathan Harvey (1939-2012): «Mortuos plango, Vivos voco» (1980)
イギリスの作曲家。日本語版Wikipediaに記事もあります。これはIRCAM時代の作品。
複数の鐘の音がガランゴロンと鳴ったあとでその音を逆再生した素
終演後にテオと軽く話す。
テオ「やあびっくりしたよ。急に了三が隣に来たから笑っちゃった」
僕『いや本当にね。まさか君がいるとは』
「次のコンサートも聴く?」
『うん』
「そう、俺は帰るよ」
『僕はもう予約してしまったからね。逃げられないのさ』
「はは、そしたらまた学校で。それじゃあね」
ということでテオとお別れ。第2部はいつも通り一人で聴きます。
1. Elsa Biston (1978-): «Il n’y a pas d’autre côté» (2019) ※世界初演
ラジオフランス委嘱作品。アンプノイズのような低音が続く中で鈍い「ガン、ガン」
2. Florent Colautti (1991-): «Mécano» (2019) ※世界初演
ラジオフランス委嘱作品。ディストーションを効かせたシンセ音のリズムシークエンスが続く
3. Julien Beau (1982-) / Mokuhen (1970-): «Paysage accidenté» (2019) ※世界初演
ラジオフランス委嘱作品。アニメでオバケが出てくるときのようなSEみたいな素材から始ま
4. Florentin Ginot (1993-) / Helge Sten (1971-): «Live électronique» (2019)
タイトルの通り、
といった感じで、いつものGRMのがっかりコンサートでした。金返せよ本当。
で、さらに電車の終電を逃し地下鉄駅まで歩く羽目に。んん? なんか既視感があるなと思ったら1年前の同じフェスでまったく同じことをやっていました。学ばない人間である。そして優等生テオの判断は正しかったなーとここでようやくわかるんです。くそう、くそう。
次はこちら。