Festival Présences 2019(リーム祭り)4日目 2/15@ラジオフランス

2月15日、ラジオフランスで開催中のFestival Présences 2019、第4日目のコンサートへ行ってきました。

フェスティバルの概要については2日目の記事をご覧ください。

本日は2つのコンサートがありました。まずは1つ目から。

 

プログラム

 

全てオーケストラ作品です。演奏順に紹介していきます。

 

1. Wolfgang Rihm (1952-) «De Profundis»  (2015)(国内初演)

始まりはリームの合唱付きオーケストラ作品から。旧約聖書の詩篇130に基づいた宗教作品。現代作品では宗教曲とはいえバリバリの現代奏法を使うものも少なくないですが、こちらは抑制的で、比較的伝統語法で統一されています。冒頭だけなら19世紀末の作品っぽく聴こえるくらいです。ただ合唱のハーモニーが難しいので、本当にそれ合ってるんだろうなと思ってしまう部分も多かったです。まあ宗教曲なので精神性が主題なのですが、僕としてはもう少し多彩な響きや目を引く構成がほしかった。4.0。

 

 

2. Graciane Finzi (1945-) «Fantasie-Concerto»  (2017)(世界初演)

作曲者はモロッコ出身の女性。これはラジオフランス委嘱のヴィオラ協奏曲です。カデンツァはありましたが、それも含め全体的にコンチェルトらしい技巧性はほぼありません。半音下降のモチーフを主軸にしたわかりやすいA-B-A形式。一部面白い響きはあったのですが、中盤はちょっと退屈なシークエンスが多く、カデンツァもそれほど面白くなかったのが残念。5.0。

 

3. Wolfgang Rihm (1952-) «In-Schrift 2»  (2013)(国内初演)

リームの空間オーケストラ作品。まずは舞台の様子をご覧ください。

 

 

1枚目の写真と比較すると明らかなように、だいぶ通常のオーケストラと違いますね。まずヴァイオリン群がいません。通常ヴァイオリンがいる位置に木管楽器、ハープ、ピアノがいます。残りは金管と打楽器。そしてクラリネットもいないのですが、これが空間配置されています。7人の奏者が客席のあちこちに配置されてそこで演奏します。打楽器も舞台以外に3人ほど空間配置されていました。

空間オーケストラ自体は今や珍しくもないのですが、この作品みたいにクラリネットと打楽器に絞って空間配置しているようなものは珍しいんじゃないでしょうか。それが実に効果的でした。冒頭からしっかり空間化の効果を示すためにクラリネットを目立たせて、お客さんがみんなキョロキョロしていました。楽器法も多彩で打楽器群の使い方がうまいなーと思いました。

 

 

僕のすぐ後ろにも奏者が。右の彼はクラリネットですが、メガネをくわえてる姿がちょっと渋すぎませんかね。メガネの代わりにタバコ、楽器の代わりに銃を持たせても様になりそう。まあそんなことはともかく、今までのリーム作品の中では一番面白かったです。7.0。

 

4. Luciano Berio (1925-2003) «Formazioni»  (1987)

以前の記事でも紹介したベリオの作品。これも配置が特殊です。

 

 

通常と違う部分が多すぎて書くのが面倒なので、写真をご覧ください。ポイントはコンサートマスターの位置にいるフルート含めた木管と、左右に分かれた金管、3つに分かれたティンパニーです。なのでそこらへんの対比を活かした作品を期待したのですが、通常配置で演奏するのとそれほどの違いはないんじゃないかと思ってしまいました。金管同士の呼応がそれほどあるわけでもなく、フルートが目立つ部分は確かにありましたが、わざわざそこへ配置するほどの理由にもならない程度ですし、単純に楽器法そのものがいまいち。構成も明確な対比点がなく、だらだらと続く印象でした。3.5。

スペイン放送交響楽団の映像を紹介しておきます。

 

Luciano Berio – Formazioni

 

 

さて続いて2つ目のコンサート。こちらはアクースモニウムです。

 

プログラム

場所はホールではなく、吹き抜けになってるちょっとした広場みたいなところでスピーカーを配置してました。

 

1. Julia Hanadi Al Abed «Objet fantôme»

全然面白くなかったので割愛。1.0。

 

2. Marcus Schmickler / Thomas Lehn «Live électro»

長い作品でしたが、構成はほぼ3部で、最初と最後はわかりやすい「三角形型」の作品。要は少しずつ盛り上がって頂点の後少しずつ熱が冷めていく感じですね。構成的な狙いより音作りに焦点を絞った感じでしたが、まあ確かに面白い響きを作ろうという工夫は感じられましたが高周波で耳をつんざくのはやめてほしい。これはアクースモニウムに常につきまとう危険です。高音域の扱い方は常に慎重にならなければいけませんね。3.0。

 

 

終わったらもう23:30ですよ。曲の順番を入れ替えてくれたら途中で抜け出せたんですが、結局最後までいたので電車の終電に間に合わず。地下鉄駅までは少し歩かなきゃいけないのが面倒です。明日もこの時間までいる予定なので、つまんない作品は後回しにしてくれー!