実はひっそりと冬休みが終了し、学校がすでに始まっていました。ほんと記憶が吹っ飛んだかなというくらいあっという間でした。原因はポーカーですね、間違いない。
あの日以来ずっと昼夜逆転生活が続いていて、修正できないまま学校の日を迎えてしまったのでほぼ徹夜状態で登校するはめに。こいつほんと反省しねー奴だな。まあしかし課題だけはなんとか済ませました。
あいにく天気は雨。しかも風が強いので傘もさしづらくて最悪です。レストランで外に出してる席をしまおうという気配すらないのがフランスクオリティでしょうか。
午後の授業は雑談からスタート。
ユン「フランスでは何時からBon soir(こんばんは)と言うものなんですか?」
先生「そんなの決まってないよ。日本でコンバンハって言う時間は決まってるのかい?」
ユン「日本では17時以降です!」
なんで君そんな自信満々なの。
ユン「仕事が終わる時間以降がこんばんはです。だから17時以降なんです」
先生「仕事が終わったらなおさらそんな挨拶をする理由がないじゃない」
ユン「そーなんですけどおおお」
いや、わかるよ言いたいことは。公務員の業務が明けてからが夜という感覚はわかります。
先生「夜に会うときでもBon jour(こんにちは)で問題ないよ。フランスには結構複雑なプロトコルがあるけれど、そうした挨拶については適当だ」
ユン「Je vous remercie d’avance. みたいなやつですか?」
先生「その表現はあまり使わない方がいい。それは暗に相手に依頼を強要するときに使うものだから」
英語で言うところの Thank you in advance. という表現で、英語でも同様に強く念押しする意味合いがあります。日本語の辞書では「よろしくお願いします」として訳されていることが多いのですが、まあ確かにその通りではありますがニュアンスまで説明してくれないとつい平気で使ってしまいそうですよね。自分も勉強になりました。まあとにかく日本語のよろしくは便利すぎて外国語に置き換えるのが難しいです。
先生「例えば書類上では今はもうMademoiselle(マドモアゼル)という言い方もできなくなったね」
ユン「どうしてですか?」
先生「マドモアゼルは子供ではなくかつ未婚の女性にしか使われないけれど、今はたくさんの人がカップルのままで過ごしている。3人の子供と夫がいながらマドモアゼルというのもおかしな話だからね」
フランスでは事実婚が多いとよく言われていますが、他国と比較してどうなのかはわかりません。ただPACS(パックス)という共同生活契約みたいな制度があって、籍を入れてない二人(男女とも限らない)でも結婚に近い保証を受けられます。
ユン「じゃあラファエルみたいな感じの人ですね」
ラファエル「!?」
ユン「結婚もしてないし3人の子供もいないし」
先生「マドモアゼルは女性の呼び方なんだから。彼は若い男じゃないか。それだったらMademoiseau(マドモアゾー)になっちゃうよ」
eauというのは男性形の語尾です。もちろんそんな言葉はありません。あ、でも日本のある界隈で使われている「男の娘(おとこのこ)」という表現にこの訳を当てればいいのでは!? 今、日仏文化に新たな橋を築いた気がします。この単語を知らない読者の皆様、どうか検索しないでください。あなたの心が汚れる可能性があります。
先生「では他にプロトコルについての質問は?」
ユン「相手のところへ訪問するときは遅れたほうがいいと聞いたことがあるんですけど」
…何の授業だったっけ今。
先生「そうだね。家事や他の用事があったりする可能性もあるから、時刻ぴったりに行かないほうがいい。5分後ぐらいに行くのが普通かな。それと、もし夜のパーティーに誘われた場合はもっと遅れて行ったほうがいい。例えば19時開始と言われてその時間に行っても君一人しかいないよ」
ユン「え、なんで!?」
先生「だいたい皆集まるのは21時か22時頃だろうから」
テオ「早くてそれぐらいですね」
ユン「だって19時にって言ってるんでしょう?」
先生「まあ皆テレビ見てたりご飯食べたり子供寝かしつけたりしてるから。どうせ遅い時間までやってるから行くのは何時だっていいんだ」
先月でしたかね、Twitterである日本人が「遅刻する側の気持ちもわかってもらいたい」みたいな主張をして大炎上を起こしてましたが、時間に対する感覚は本当に国それぞれ違いますね。僕自身はどうなのかと言えばこのブログを見ていればお分かりの通り結構ルーズです。
そんな具合で40分くらい雑談した後で授業開始。休み明けの課題は、まあそこそこの出来といった感じでしょうか。というかやってきたのが僕とテオの二人しかいないという。テオはフランス人で、ルイとはまた違ったベクトルでイケメンです。ブロンドの癖っ毛の長い髪の毛で、口髭をたくわえ、ザ・フランス人という感じです。普段の課題を聴いているだけで非常に優秀な学生だとわかるので、勝手にライバル視しています。そういう存在がいるのはありがたいですね。
そんな感じで後半は意識朦朧としながら終了。これで強制的に生活リズムが戻ってくれるといいですね。(他力本願寺)