先ほど授業が終わって今帰宅したところです。
何度か日記でも触れましたが、今年は作曲の授業とは別に「個人プロジェクト」の発表があります。課題は自由なので楽なものを選べばいいのですが、僕自身は前々から研究したかったことがあったのでそれを課題にしました。
テーマは「映像と音楽に関する新たな創作方法」です。大きくでたなという感じですが、アイデアそのものはもう5、6年前から頭の中にありました。ならばなぜ今までそれを形にしてこなかったのかと言えば、まあ締め切りというものがなければ絶対になまけてしまう僕のどうしようもない性質も大きな原因ではありますが、結局いざ形にしてしまうとそれほど面白くもない結果になってしまうのが恐ろしかったのでしょう。頭の中に留めておく限り自分は天才で居続けられますからね。
で、今日はプロジェクトの中間発表の日だったので、ここ数週間はずっとそれにかかりっきりだったのですが、それでも作業に本腰が入ったのは最近のことで、結局今も40時間ぐらい起きっぱなしで発表直前まで詰め作業をやっていました。本当にだらしないんですよね。なんで尻尾に火がつくどころか全身に火が回るまで気づかないのか。
作品を作っている間は中身がどうこうとかではなく、なんでもいいからとにかく仕上げなければという一心でやっていました。まあそれでいざ出来上がった瞬間なんかは「よくやった!」なんて舞い上がったりするもんですが、少し距離を置いてみれば全然大したことねえなと自覚してしまうもんです。これが本当につらい。誰に指摘されるまでもなく気づいてしまうと本当に死にたくなります。
今回の発表は本番と同様に一人で15分喋り続ける形式だったのですが、多くの生徒、特にフランス語圏以外の学生は時間が余って余ってしょうがないという感じだった一方、僕は作品とその解説をしているうちに20分を超えてしまっていました。さらに質問も多く飛んできたので、結局30分以上話していました。でも言葉に詰まって「うーあー」言ってる時間が多すぎたので、本番ではちゃんとカンペを用意しなくてはいけませんね。いや今日も用意する気まんまんだったのですが、なんせ作品の方を仕上げるのに精一杯でそれどころではなかったのです。
作品を披露したときの「ふーん、こんなもんか」という学生たちの視線、これを僕は一生忘れないでしょう。これが傷になるか糧になるかは今後の自分次第ですね。まあしかし「今はまだ大したことない」と自覚できる機会を得ただけでも大きな収穫と言えます。やっぱりこういうのはどうあれ作品を完成させないと気づくことすらできないですから、偉大な漫画家たちが「いいから描け! 今すぐ描け!」としきりに言うのも当然のことですね。まずは第一歩です。
授業が終わった後でルイと久々に長く話しました。彼は僕の発表に対して忌憚のない意見をズバズバと言ってくれて、本当にありがたいです。先ほどもそのことの感謝を伝えるメールを送ったら「それが友達ってもんだろう? 僕は了三が良い仕事をするだろうって信じてるからね、楽しみにしてるよ」なんて言うので、こういうのが一番涙腺が緩んでしまいます。彼の信頼を裏切りたくないので、頑張らないといけませんね。
ルイとは学校内のカフェスペースで話していたのですが、そこにこんな張り紙がありました。普段ここには来ないからこんなのがあったなんて全然知らなかったです。ビズー(bisou)というのは挨拶で頬にキスするあれです。確かイタリアかどっかでも禁止になったとかってニュースになってましたよね。ルイと二人して「世紀末だねー」なんて言いながら、別れ際にガッチリ握手を交わしました。
僕の作品については6月の本番と同時にこのブログでも公開します。まあ本来はそのために立ち上げたブログですからね、アニメにかまけてないで頑張ります。