6月18日(作品提出とIRCAM研究生コンサート)

スポンサーリンク

前にこのブログを読んでる知人から「あんた随分楽しんでるみたいじゃない」と言われましたが、そりゃ楽しそうな部分しか日記に書いてないので当然です。作曲や勉強に苦しんで悶絶している様子を鬱々と書いても(一部の愛好家以外)何も面白くないですからね。

とは言え一年目はまだ気楽な方です。ドクのクラスは毎週課題はありますが、作曲作品の発表は一年目はしません。なのでこれまでの門下生コンサートでも自分は聴いてるだけだったのです。ですが、火曜日のクラスは一年目からガンガン作曲させる先生なので、これまでもバカンス明けの度に作品提出がありました。まあそれは先生と授業に参加してる生徒が聴くだけでしたが、今回は学期末ということで作品発表のコンサートを月末に行うので、そのための作品を作らなくちゃいけないわけです。

 

本当はもっと早くから準備を行う予定だったのですが、5月末の緊急帰国があったため、その間は何も出来ませんでした。こっちに戻ってきてからすぐ着手するつもりだったのですが、なかなか良い構想が浮かばず、悶々としているだけで1日が終わることも何度かありました。しかし締め切りは待っちゃくれないので、とにかく始めようということで曖昧な構想のままとりあえず作り始めて、深夜の散歩の翌日からこの日までひたすら引きこもってなんとか完成まで漕ぎ着けました。

 

ほとんど一睡もしないまま火曜日の授業へ行き、作品を披露……する前に、先生から作品の構成について説明しろと言われました。前にもちらっと書いた、強烈なスペイン語訛りのフランス語を話すロペス先生です。四苦八苦して説明を終えると、

「これは練習なんだ。俺だってかつては君と同じ状況だった。俺はアルゼンチンからこっちに来て、当初はろくに話せなかったが、それでも作曲というのは常に言葉での説明が求められる。だから苦労したもんさ。「聴けばわかる」じゃ通用しないんだ。今のうちに沢山こういう練習を積んでおかないとね」

これは本当にその通りですね。別に音楽に限らず学的研究やら普通の仕事でも、「実際の成果」と「口頭の説明」は不可分のものです。「大した研究成果じゃないのに口ばっかり上手いから過剰評価されてる人」というのを日本人の多くは嫌うと思いますが、かと言ってその逆が美徳なわけでもないんです。両立させなきゃだめなんですね。

 

それで6分ほどの作品を聴き終えると、

「うんうん、面白いじゃない。特に構成が明瞭なのが良い。これはとても大事なことだ。ただ、細かい点についてはまだまだ工夫の余地があるから、それを見ていこうか」

ということで、いくつかの修正案について検討をしました。中にはそれほど賛同できないものもありましたが、8割以上は納得できるものでした。ドクもそうですが、こうやってすぐに改善案を挙げることができるのは感嘆させられます。僕もそうなりたいものです。

「いいか了三。とにかく作って作って作りまくるんだ。そのためにはるばる日本から来たんだろう? 思考も大事だが、常に作業と思考を並列させるんだ。いいね?」

 

 

その後IRCAM研究生の発表会があるので授業を早めに抜けてそちらへ向かいました。途中でピザ屋を発見したので腹ごしらえすることに。26cmのピザで5ユーロはいいですねえ。

 

 

公園でモチャモチャとピザを食う。ここ最近ずっといつ寝て起きてるのかわからないような生活がずっと続いていたので、ああそれが終わったのかと思うと達成感より脱力感が大きいです。さっきの先生の言葉をちゃんと胸に刻んでおきましょう。

 

コンサート会場は以前も行ったことがある、Centquatreです。

今年の研究生も例年通り10名。毎年日本人が一人はいるイメージですが、今年はいませんでした。テーマはこれも例年通り「楽器とMAXのライブエレクトロニクス」なのですが、「ヴィオラダガンバとダンサー」や、「ダンサー2人」みたいな変わり種の編成がありましたね。

 

 

これは最後の集合写真ですが、作曲者に演奏者を加えると写真に収まらないくらいの人数になりますね。まあ聴いた感想としては総じてあまり面白くはありませんでした。なので別記事にはしなかったのですが。研究生の段階だと「表現目的」よりも「技術的成果」の披露がどうしても前面に出てきちゃいますから、まあ仕方ないことではあります。

この中に一人くらいは将来の大物が混ざっていても不思議ではありません。僕も負けないように頑張ります。