12月26日(贅沢ランチとパリのジュンク堂)

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これはもう去年の年末の話でちょっと古いのですが、せっかく写真もいろいろ撮ったしその後の話にも繋がるので書こうと思います。

 

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クリスマスはぼっちでマーケットを冷やかしに行ってたのは上の記事で書いた通りですが、それを憐れに思ってかパティシエのユリさんが「一緒にランチに行きませんか?」と連絡をくださったんですよ。なんとありがたいお誘いでしょうか。二つ返事でOKして26日に行くことになりました。

 

 

もちろんこの日はストライキ真っ最中なのでメトロは使えず。バスでBourse(旧証券取引所)まで行って、そこから歩いてオペラ地区へ向かいます。

 

 

オペラのラーメン屋などが密集している通りがちょうど工事していました。休日は人で溢れかえってる場所なので、昼間に誰もいないのは新鮮ですね。

 

 

ヤマト郵便のパリ支店がこのオペラ地区にあります。ワインを送る専用のケースなんかもあるので、旅行に来てる人にとっては便利ですね。

 

 

そのヤマトのすぐ近くにあるこちら、Lumen(ルーメン)にやってきました。同じ名前のホテルに併設されているレストランです。僕やユリさんと同じくマダムCにお世話になっているパティシエのエリカさんがここで働いていて、ユリさんが一度食べに行きたいということでご相伴にあずかろうという流れです。

今調べてみたら日本語版の公式HPもありますね。ここで紹介されている通り日本人シェフの高級フレンチ店です。36ユーロのランチなんて自分一人だったら絶対に来ないですが、素敵なお姉さんとご一緒できるならしばらく雑草生活だとしても大歓迎です。

 

 

アミューズブッシュ(前菜の前に出てくる一口サイズのお通しみたいなもの)のマカロンと梅干しのジュレ的なもの。このマカロンは間に味噌風味のペーストが挟まってるんですが、面白い味でしたね。

 

 

前菜の牛のタタキ。美味しかったですねえこれは。こんなに洗練されたものを味わうのはイタリア旅行以来ですね。

 

 

これはタリエリーニというパスタです。これも美味しかったですが、それよりもこのパンがめちゃくちゃ美味かったんですよね。フランスのこういったお店ではパンはいくらでも無料でサービスしてくれるのですが、この時点でもう4回ぐらいおかわりしてたと思います。

 

 

本来のランチメニューについてくるデザートだともっと簡素なものなのですが、エリカさんのサービスでレストランの看板デザートに代えてくださいました、嬉しいですね。これはヴァシュランというフランスの伝統的なデザートなのですが、ハーブやリコッタを使ったアレンジで独特な風味があります。とても美味しかったですよ。もしここに来たら是非注文すべきですね。

 

 

 

その後もダラダラ喋っていたらついにエリカさんの休憩時間になってしまいました。お邪魔かなと思って退散しようとしたんですが、ここはホテル併設のレストランなのでランチが終わったらカフェタイムになるそうなので、全然いてくれて構わないとのこと。結局エリカさんと3人でその後1時間ぐらい喋ってました。追加のデザートも持ってきてくださって大変ありがたい。

 

僕『ストライキの影響でお客さん減ったりしてませんか?』
エリカ「幸いなことに、今のところはキャンセルはほとんどないですね。年末も予約埋まってますし、バレンタインの日ももう埋まってたんじゃないかな」
『え、こっちの人ってバレンタインってそんな大事なんですか? てっきり日本だけが盛り上がってるのかと思ってましたけど』
「いやいや、すごく重要視されてますよ。日本みたいに、女性から男性へチョコを贈るとかじゃなくて、お互いに何か贈りあったり、美味しいもの食べに行ったりとか。だからうちもバレンタインの日は一人客や団体客は受付してなくて、全部カップルだけです。実際、子供がいる夫婦でもバレンタインデーだけは預けたりして、二人で出かけることが多いらしいですからね」

はえーそれは知らなかったですね。要するにカップルや夫婦のための日という感じで、日本でいうところの結婚記念日みたいな雰囲気なんでしょうかね。もちろんこっちにも結婚記念日はあるでしょうけど。

 

ユリ「了三さん、来月の19日は空いてますか?」
僕『えっと、その日は夕方にコンサート(カルテット祭りの最終日)がありますけど、それ以外は大丈夫ですよ』
「その日パティシエさんとかシェフの人が集まってガレット会をやる予定なんですけど、もしよければ来ませんか?」
『ガレット? クレープってことですか?』
「そっちじゃなくて、ガレット・デ・ロワの方です。みんなで作ったり買ったりして持ち寄って、食べ比べしようという会です。去年もやったんですよ」

以前学校でガレットを食べたのを紹介しましたが、ガレット・デ・ロワを1月の上旬に食べる風習があるのをこのとき初めて知ったんですよね。存在自体は知ってたんですけど、食べたことはありませんでした。

 

『へえ楽しそうですね。いやー是非行きたいところですけど、でも部外者なのにいいんですかね』
「全然問題ないですよ。是非来てください!」

そういえば去年ピクニックのときもユリさんはこんな感じで、部外者にも関わらず快く誘ってくださいましたね。天使かなにか?

そんなわけで19日にコンサートの後ガレット会にも参加したので、そちらを次の記事で紹介します。この流れがあったのでこの記事を今更ながら書いたというわけです。

 

12時半に来たのにもう17時をまわって外がすっかり暗くなってしまいました。さすがに長居しすぎたということで、エリカさんに厚く御礼を申し上げて店を出ました。いやーとても贅沢なランチでした。

 

さてタイトルにある通り、ここからもう一つの本題です。

 

 

これはお店に入る前に撮ったんですが、お店の向かいになんとジュンク堂があったんですよ。思いっきり日本語でジュンク堂って書いてますからね。まさかパリにあるなんて知りませんでした。

中がすごく気になるので僕一人で行こうかと思ったんですが、ユリさんも行きたいとのこと。実はユリさんはかなりのアニメ・漫画好きで、特に漫画に関しては僕よりも読んでる量ははるかに多いでしょうね、話してる感じだと。守備範囲が違うとはいえ、彼女はかなり幅広く読んでるので、見習わないといけませんね。

 

 

お店は1階と地下1階に分かれていて、上はこのように日本語の本が普通に売られています。ここだけ見たらパリだとはわからないですよね。もちろん日本に関するフランス語の本も多く扱っています。

 

 

漫画週刊誌なども売られてます。見た感じそんなに日本と発売のギャップがあるわけではなさそうです。そういう時代なんですねえ。

さて地下はまるまる漫画コーナーです。楽しみですねえ、一体どんなものが置かれているのか。日本語の原版コミックもありますが、フランス語に翻訳されてるものだけを紹介していきます。

 

 

まず見えてきたのは『からかい上手の高木さん』、フランス語タイトルはQuand Takagi me taquine(高木さんが僕をからかうとき)です。

 

 

フルーツバスケット

 

 

乙嫁語り』。タイトルは英語版と同じBride Storiesですね。隣に同じ森薫の『エマ』もあります。

 

 

上段が押見修造の『血の轍』、下段が押切蓮介の『ミスミソウ』。あいうえお順でもないのに押し仲間でまとめるあたり、書店員はわかってますね。僕はふたつとも読んでます。

 

 

ゴールデンカムイ

 

 

なんと『孤独のグルメ』(Le Gourmet Solitaire)もありました。他にもグルメ漫画がちらっと写ってます。

 

 

アニメ化もされた『魔法使いの嫁』(The Ancient Magus’ Bride)。

 

 

左上から、『蒼穹のアリアドネ』、『ふらいんぐうぃっち』、『リトルウィッチアカデミア』、『ゆるキャン』(フランス語タイトルはAu Grand Air、大自然の中で)、『彼方のアストラ

 

 

僕だけがいない街』(Erased)。

 

 

『ヒカルの碁』の新装版ですね。ああ欲しいなあと思ったんですが1冊18ユーロ

 

 

ばらかもん』。これは内容的に翻訳が気になりますね。

 

 

海街ダイアリー』はKamakura Diaryになってます。

 

 

BEASTARS』は特設コーナーが作られていました。アニメ化に合わせてなのか、単に売れているのか。そういえば昨日(1月30日)作者の板垣巴留がツイッターで、アメリカでベストセラーになったのを報告していましたね。素晴らしいことです。アニメも非常に出来が良かったので、僕も漫画版をちゃんと読まなくてはいけませんね。

 

 

見つけた瞬間思わず「うわ!」と声が出てしまいました。おいおいおい夏子の酒』じゃねーか! いやまさかこんなところで目にするとは夢にも思わなかったのでめちゃくちゃ驚きました。いやーこれがフランス語翻訳されてるなんて、本当に嬉しいですね。僕がこの作品をどれほど愛しているかは以前の記事でも語った通りです。

 

実家にあるマンガ
2週間の帰省もあっという間に最後の夜になってしまいました。連日誰かと会ったり用事があったりと全然休まる時間がありませんでしたね……まあそれはおいおい。 実家の僕の部屋は、一人暮らし時代の引っ越し段ボールがそのまま積まれている物置部屋になって...

 

これは是非とも買わなくてはと思ったんですが、どうやら今出てるのはこの第1巻だけらしいです。どうなのかなー、売れ行きが良くないと翻訳の続きがされないんじゃないかという気もしますね。このときは結局買わずに帰ってしまったのですが、近いうちに必ずまた来て買います。これも確か1冊15ユーロくらいでめちゃくちゃ高いんですけどね。いやしかしファンならば買わなくてはね。

 

 

といった感じで、パリ・オペラ地区にあるジュンク堂の紹介でした。やはり漫画ショップだけあって緑や紫色の髪の客が普通にいたりするのが面白いところです。他にも漫画ショップはたくさんあると思うので、いろいろ巡りたいですね。実に濃厚な1日でした。