7月28日(サッカーとツール観戦)

スポンサーリンク

昨日28日はツールドフランスの最終レース、シャンゼリゼゴールの日でした。

正直申し上げますと僕はロードレースはあまり興味がなかったのですが、最近日本でも『弱虫ペダル』の影響もあってか、自転車人気がかなり高まってきているのは知っていました。

日本ではツールドフランス観戦のためのツアーが多く組まれていますし、世界中のロードレースのファンが「一度でいいから生で観戦してみたい」と思ってるくらいのイベントを、パリにいながらみすみす見逃すのもどうなのかなと思って、見に行くことにしたんです。

 

まあせっかく見に行くならより楽しむためには知識が必要だなと思って、ここ1週間はずっとロードレースの勉強や過去のツールの動画を漁ったりしていました。その甲斐あってか、ツールのルールやら注目選手やチームの名前も大分頭に入ってきました。それに、ロードレースならではの楽しみや現状の問題点などもよくわかりました。

そして今回のツールの途中経過もずっと追っていたらかなりテンションが上がってきて、最終日の観戦がすごく楽しみになっていました。一人で行っても良かったんですが、待ち時間も長いことですし、せっかくのチャンスだと思って同じアパートのハルカくんを誘ってみたら、

「いいですね、僕も行きたいです! でもその前にサッカーしませんか?

と言われて面食らいました。なんじゃそりゃ。

彼は大学までサッカーを続けていたほど本格的な経験者で、パリに来てからも日本人だけのサッカー同好会みたいなものに入ってて週末時々やってるらしいのです。日曜日の午前中で終わるのでその後のツール観戦も問題なさそうではあったのですが、

僕『うーん、でも俺全然サッカーできないよ。いきなり参加して大丈夫なの?』
ハルカ「全然問題ないですよ。おばちゃんとか子供とかもいますし、結構ゆるくやってますから」

ということだったので、まあパリに来てサッカーやる機会もそうそうないかと思ってせっかくなので参加することにしたんです。

 

 

場所は家から割と近くでした。ちょっと早く来すぎて誰もいないんですがコーチはすでに準備していました。どうも元プロ選手の方だということで、そんなに本格的なクラブなんかい、とたじろいでしまいますが、ハルカくんの言葉を信じて覚悟を決めましょう。でもコーチはすごく優しい方でした。

そしてウォームアップがてらハルカくんとパス練習をしたりしたんですが、なんせ高校の授業以来のサッカーですから、何年ぶりというレベルではない。まあ元野球少年とは言え小学校の頃はほぼ毎日のようにサッカーをやってはいましたから、その時の勘を頼りに頑張りましたよ。しかしこのウォームアップだけですでに息が上がって疲れてきました

 

 

その後メンバーが集まってきて、最終的に僕を入れて10人。僕以外ほぼ全員経験者でした。ハルカくん? 話違わない?

ウォームアップと基礎トレの後でまずは3:3のミニゲームをやったのですが、その時に僕は足をつりました。「ぬおぉぉ」と悶絶しているとコーチがすぐに対応してくれて助かりました。

「走ってる状態から急に止まったりすると、普段から慣れてないとつりやすいんだよね。大丈夫だよ、この後しばらくゆっくり歩いてな。単純に運動不足だねこれは」

仰る通りです。すいませんほんとダメ人間で。

その後歩きながら僕は休ませてもらって、最後の5:5のゲームのときには復帰できました。前後半合わせて20分のゲームだったのですが、疲れるなんてレベルじゃない。とっくに体力の限界を振り切っていました。どこが「ゆるくやってる」んじゃい。

 

そんなこんなで13時頃までサッカーをしていました。終わった時点ですでに足の筋肉全体が痛くて、歩くのでさえツラいです。ベッドがあるならすぐにでも眠れそうです。

まあしかし今日のメインイベントはこれからですから、こんなところでへばってるわけにはいきません。まずは凱旋門近くのケバブ屋で昼食をとることに。

 

 

 

ケバブ・エリゼー」という直球な店名。味はなかなか美味しかったです。それにかなりボリュームがありました。ポテト・ドリンク付きで7.5ユーロ。ケバブはほんと貧乏学生には有難いです。

その後近くのコンビニでビールとジュースを買って凱旋門へ。ひょっとしたら荷物検査でビール没収されるかなと心配だったんですが大丈夫でした。

 

 

14時半頃。凱旋門の周りはすでに大勢集まっていましたが、この時間でもまだ最前列の空きがある場所もありました。もう遅いかなと思ったんですが運が良かったですね。それでモニターとかが見やすい位置を探しながらハルカくんと話していると、

「日本人の方ですか?」

と女の子が声をかけてきました。

『そうです。あれ、お一人でいらっしゃったんですか?』
「はい、今日のこのレースを見るためだけにパリに来ました。さっき着いたばっかりなんですよ」
『おお、そりゃすごいですね』

彼女の名前はカオルさん、鈴鹿の出身で小さい頃からお父さんに連れられて8耐を観戦しているうちにバイクや車やロードレースまでも好きになったそうです。すごい英才教育ですね。

現在はワーホリでアイルランドに住んでいて、この日は早朝にパリに着いて午前中から一人でずっと待っていたそうです。そんな熱心なファンなのかと思って訊いてみるとロードレース自体はそれほど詳しくはないみたいで、単純に走る姿が見てみたかったとのこと。なので僕のにわか知識でこれまでのレース経過なんかを教えると楽しそうに聞いてくれてました。

 

そんな感じでハルカくんと3人で談笑しながらひたすら待つ。18時頃になるとスポンサーカーのパレードが始まります。

 

 

 

こんな具合で、30分くらいはありましたかね。この途中でレースが始まって、モニターで途中経過を見ながらさらに待ちます。

 

そして21時頃、ついに来ました。

 

 

 

 

いやびっくりしました。想像よりもずっと速くて、目で全然追い切れません。1枚目にサガンが写っていますが、そうやって注目選手を追おうとしても全然わからない。とにかく自転車の滝でした。

 

それにしてもあまりにもあっという間に通過してしまったので、ハルカくんが

「え、これで終わりッスか!?」
『んーいやもう一回くらいは来るんじゃないかな』

なんて言ってたら結局合計8回も通過して、しかもどんどん速くなっていくのでさらにびっくりです。

今回優勝したエガン・ベルナルが22歳で初のコロンビア人のツアー覇者ということで、周囲はコロンビア人で埋め尽くされていました。ずっと「コーローンビア! コーローンビア!」とコールしていたのですが、それに負けじと選手が通過するときに「キンターナー!」と叫んでいたら周りが皆笑っていました。なんで日本人がキンタナ知ってんだよってことなんですかね。いや日本でも大人気ですよ彼は。

 

ものすごい数の写真を撮ってしまったので、ツールの様子は別記事で改めてまとめます。なので今回はこれくらいで。

いやー思っていたよりもずっとずっとエキサイティングでしたね。待ってる間は日差しも強くて、特に今回はサッカー疲れもあったので、ハルカくんは「クソボウズにそそのかされてなんでこんな待たなきゃいけねーんだよ」みたいに思ってるんだろうなーと感じて申し訳なかったのですが、終わってみたら、

僕『今日来てよかった?』
ハルカ「めっっっちゃ良かったです。本当に誘って下さってありがとうございました!」

と喜んでいたので、一安心です。

 

先ほどの写真は、日本のロードレースのファンが見たらすごく羨ましがるでしょうね。最前列でかなり選手の近くにいましたから。にわかのファンでこんな贅沢な体験をさせてもらったことを本当に幸運に思います。

さすがに体力の限界で表彰式は見ずに帰ることにしました。別れ際にカオルさんと連絡先を交換して、またパリに来たいと言っていたので再会する機会があるかもしれません。

 

家に着く頃にはマジで足がガックガクで大変でした。明日帰国すんのに大丈夫なんですかね……