「軽い」カテゴリー初の記事は文化のお話です。
2月2日は西方系キリスト教の祝日で、「聖燭祭」の日、または主の奉献の祝日と呼ばれています。Wikipediaに書かれている通り、クリスマスの40日後に聖母マリアの御清めの奉献を祝う日です。勉強になりますねえ。
それはいいとして、なんでそんな話題を取り上げるのか。この日はフランスではクレープを食べる日なんですね。
そもそもなぜ聖燭祭という名前がついているのかと言えば、昔はこの日にキリスト教徒が各地からローマまでろうそくを運んで巡礼していたからです。時の教皇ゲラシウス1世が、遠くからわざわざやってきた巡礼者に対する労いやら褒美のようなものとして、クレープを配らせたのが始まりだとかなんとか(適当ブログによくある諸説ありの話です)。同時にクレープは形と色から太陽の象徴でもあり、冬の終わり、春の始まりを祝う風習として家庭で焼いて食べるようになったそうです。
まあおそらくフランス人の大半はあまり由来について深く考えずにクレープを食べてるのではないかと思われます。お雑煮に入れる餅のように、由来が不明でも定着しているのが風習というものでしょう。
さて僕もせっかくフランスに来てるわけですから、文化に則ってクレープを食べましょう。何を隠そう僕はクレープが非常に好物でして、別にお祝いじゃなくたっていつでも食べたいくらいなのです。
本来的には自分で焼かないといけないそうですが、怠惰を絵に描いたボウズにそんなこと出来るはずもないので、クレープ屋さんに行くことにしました。
今回訪れたのは有名店の一つ、「ジョスランのクレープ屋(La Crêperie de Josselin)」です。
げえ、行列! まあ多少並ぶくらいならいいんですが、前の記事で書いてあるとおりこの後コンサートに行かなければならないので、時間がないのだ! やばいよー間に合うかなー。
やきもきしながら外のメニュー看板に目をやると、
日本語のメニューまであります。これは観光客にはありがたいですね、日本人も多く来てるのかもしれません。ここに載ってるのはスペシャリテ、つまり看板メニューです。ほぼ全部12ユーロくらいで少しお高いですが、観光で食べるには十分安いでしょう。どれも食べてみたいところです。
その後20分ほどで店内へ。急いでたのでメニューをもらう前にすぐ注文すると、5分くらいで出てきました。満員なのにすごいですね、ありがたい。僕が注文したのは「ソーセージとチーズのガレット(9ユーロ)」です。
美味しいですねーこれは! 生地とチーズの相性が抜群で、そこにソーセージが加わるとそりゃーもううまいに決まってます。少なそうに見えて意外と腹持ちがよいのも嬉しいところ。
多少狭い感じはありますが、店内の雰囲気も良いです。名物マダムみたいな人がちゃきちゃきと店内を取り仕切ってました。
食べ終わって会計すると、レジ担当のお兄ちゃんは190センチくらいの長身で、帰り際に「アリガト、マタネ」と言ってくれました。やっぱり日本人客が多いのでしょう。
とても良いお店でした。観光で来るにも最適だと思います。もちろん甘い系のクレープもたくさんあるので、今度はそっちを食べに来たいですね。
コンサートはぎりぎり間に合いました。あぶねー!(だいたいこういう綱渡りみたいな生き方をしています)