高橋洋子×エヴァンゲリオンステージです。ものすごい人気で、昨日のヨシキの3倍以上の人がいました。ここはジャパンエキスポですから、そういうもんです。
いきなり残酷なアレをぶちかました後、EDのフライミートゥーザムーン、新曲を一つやった後で、最後に魂のルフランで締め(フラグ回収)。
すごい盛り上がりでした。普通に日本語でMCをした後で通訳されるのですが、訳される前に反応してる人が結構多くてさすがですね。
さてライブだけで終わるのかと思いきやサプライズゲストがいるそうで。誰だ?
!? マジかよ!
なんと緒方の兄貴じゃなかった姉貴が登場しました。ジャパンエキスポは初だそうです。
緒方「最近はNETFLIXでエヴァが配信され始めたようで、そこで初めて見たっていう人もいるんじゃないでしょうか。どうですか皆さん!」
思いの外手が上がる。
緒方「あー結構いらっしゃるんですねえ。それじゃあ前からずっと見てるよって人は!?」
うぉおお! っと皆手を上げる。通訳いらないんじゃないかな。
もちろん皆気になるのはエヴァの最新作です。
緒方「現在、アフレコの方は、少しずつ少しずつ録っていってます。去年の終わり頃に、監督のいらっしゃるスタジオカラーにお呼ばれしたのですが、そのときに、もう24年前ですよエヴァが始まったのは。その24年間で初めてのことでした。監督から訊かれたんです。「もしシンジだったら、こっちの結末と、そっちの結末と、どっちを選ぶと思う?」って。そうやって監督も色々と考えながら進めていらっしゃるようなので、きっと上手くいくと信じています。いや私はもう前々から言ってるんです。「監督、私や洋子ちゃんが死なないうちに完結させてくださいね」って」
会場爆笑。それにしても監督から提示されたシナリオ案が将来明かされてほしいものです。
高橋「庵野監督ってどんな人なんですか?」
緒方「私は、これまであんなに優しい人に出会ったことがない。それくらい、優しい人ですね」
高橋「ええーそうなんですね」
緒方「あれ、洋子ちゃんは、最後に監督に会ったのはいつなの?」
高橋「えーと、去年鷺巣さんと、あのエヴァシリーズの作曲家の方ですね。彼とライブコンサートをしまして、そのときに監督もいらっしゃったので、そのときにお会いしました」
緒方「あれ? 今年の新年会洋子ちゃん来てたよね?」
高橋「え、あのとき監督いたんだっけ。あ、そうかそうか、忘れてた。ああ通訳さんこれ訳さなくていいですから」
そう言っててへぺろする洋子ちゃん。面白い方ですね。
最後に会場のファンへメッセージということで、緒方さん。
緒方「現在の日本のアニメーションの制作現場というのは、決して楽な状況ではありません。それでも、こうして世界中の皆さんに楽しんでもらえるように、日々一生懸命アニメというのを作っています。もちろんエヴァンゲリオンに限りません、全ての作品がそうです。なのでこれからも、日本のアニメ、そしてアニメだけじゃなくて、漫画やゲームなど、そういうものを支えて、応援していってくれたら幸いです。今日はどうもありがとうございました」
なんと胸を打つ言葉でしょうか。緒方さんのような人がこうやって世界の人に伝えてくれるのはとても嬉しいことです。この心意気は兄貴そのものです。
そして監督からのビデオメッセージがあるそうです。
庵野「今回パリに来ることができなかったのは本当に本当に残念です。とても行きたかったのですが、僕は日本でやることがたくさん残っているので、仕方ありません。僕はパリがとても好きで、いつか出来ればエヴァとかで映画の舞台にしたいなとずっと思っていたんです。
なので今回パリの中でエヴァを登場させることが出来たのは感無量です」
会場がザワつく。そりゃそうだ。え、どゆこと?
庵野「ただ、取材に行くような用意ができなかったので、見よう見まねで描くしかできなかったんですけど、なるべくきちんとしたエッフェル塔を描こうと思いまして、まあそれが叶って良かったです」
最後にメルシーボクーと言ってビデオ終了。緒方姉貴も「なんか壮大なネタバレがあったような気がしましたが、大丈夫なんですか」と困惑。
そして制作中の映像が公開されました。写真撮り逃してしまったのですが、いきなりエッフェル塔を下から眺めるカットで始まって会場は大興奮です。
エッフェル塔が破壊され大歓声。パリの街に要塞がせり上がって大歓声。まあとにかくすさまじい盛り上がりでした。今日何しに来たのか忘れるくらい濃密な1時間でした。
15時からは大塚愛のライブがあったのですが、そっちではなく富野由悠季の質疑応答ステージの方へ。さらに濃い時間が続くのか……
さすがにそれほどお客さんは多くないですが、ここにいるのはほぼ全員熱烈なファンでしょう。質問の手がひっきりなしに上がっていました。
質問「ガンダムのコンセプトはどのようにして生まれたのですか?」
富野「ものすごく単純です。僕が参加する前から、デザインの構想だけは決まっていました。それに合わせて僕が作っていったら、イデオンのような作品になってしまったという、それだけの話です。付け加えるなら、おもちゃ屋さんはあんな話になるとは思ってなかったでしょう。だから僕のような人に、作品を発注しちゃいけないんですよという具体的な例になったわけです」
会場大ウケ。
質問「僕はもともとロボット物が好きでガンダムを見始めたのですが、どうして他の作品にはあまりないような、政治的な戦争の裏側や、人物同士の複雑な関係性を描こうと思ったのですか?」
富野「ガンダムを作る時に決意したのは、「テレビまんが」であってもティーンエイジャーが見られるような作品、つまり映画にしたいということです。なので映画に耐えうるようなテーマだったり人間関係だったりを考えると、僕の場合ガンダムのような作品になったのです。アニメーションが持ってる可能性というのはとても高いものだと思っています。ですから、アニメの世界をディズニーや宮崎さんのような作品だけにしておくというのが我慢ならなかったという思いもあります」
質問「自分が作った作品の中で好きなキャラクターはいますか?」
富野「そういった質問には絶対答えないようにしています。もし答えてしまうと、それは皆さんの好きな恋人を僕が奪い去ってしまうような行為だからです。なので、僕は全てのキャラクターを平等に愛しています」
会場大喝采。まあ確かにお手本のような答えだと思いますが、別に具体的な名前を挙げる創作者がいても僕は別にいいと思いますけどね。
質疑応答はまだ色々ありましたが割愛。最後に監督に金のダルマが授与されました。
富野「皆さんすでにご存知だと思いますが、ダルマというのは幸福を呼んでくれるものなんです。僕の家にはダルマがなかったので、これはとても嬉しいです」
その後、現在放映中の『機動戦士ガンダム THE ORIGIN 前夜 赤い彗星』でEDを歌っているmiwaが登場し、今西監督から預かってきたメッセージを紹介。EDテーマを歌って終わりです。
さてもうあまり自由行動の時間はありませんが、時間の許す限り色々見て回りましょう。