【イタリア旅行】3日目 ミラノ(ドゥオーモ、スカラ座)

スポンサーリンク

 

前日にディナーを食べ損ねたラタナ(Ratanà)へ。天気も良いので外で食べることにしました。

 

 

ランチメニューの焼きトマトとローストビーフのリゾット(19ユーロ)を食べました。実は僕はトマトが大の苦手なのですが、このトマトはおいしく食べられました。日本のものとは味がかなり違うんですよね。いや日本のがマズいということではなくて、相性の問題です。母もチーズが苦手なんですが、昨日のピザのチーズは美味しかったと言ってましたしね。さすが評判の良いレストランだけあって美味しいリゾットでした。

 

 

食後にカプチーノ。コーヒーはもちろん、イタリアでは水は別料金なのですが、ここではランチメニューに含まれていました。おおう有難い。

 

 

このレストランの場所は垂直の森がさらに近くに見えます。今度ハルカくんに知ってるかどうか訊いてみましょう。優雅にランチをとったところで、夜のオペラのためにこの後宿に戻って昼寝することにしました。

 

18:30
昼寝から目覚める。まだ全然お腹は空いてなかったので、宿の向かいにあるカールフールで適当な晩御飯だけ買っておいて、ヨーグルトだけ食べてスカラ座へ向かいます。連日の睡眠不足がここで少し解消されて良かったです。やはり長い旅行をするときにはこういうダラ~っとする時間が重要ですね。

 

 

ドゥオーモの駅でも近いのですが、それよりも最寄りの駅でメトロを降りて歩いて行きます。スカラ座前のこの通りはおしゃれな感じですね。

 

 

これは昼間にジェラートを食べながらアーケードを歩いたときに撮ったもの。オペラ座みたいに派手な外見ではないですが、スカラ座は「私脱いだらすごいんです」って感じ。

 

 

19:50
開演10分前にスカラ座に到着。「まあ全然ラフな格好で問題ないよ」と両親に言っておいたのですが、なんかパリよりも正装してる人の割合が多いですね、ミラノは。まあ所詮我々は極東の田舎者ですから、開き直っていきましょう。僕は普通のロンT一枚でこの空間にいましたよ。

 

 

 

これが僕たちのボックス席から撮ったもの。最前列に二人、その後ろに二人、最後方に一人というのがスカラ座のボックス席の基本形のようです。御覧の通りかなり良い席です。普通はこんな場所だと1席で200ユーロ弱はするのですが、なんとこの日は半額デーだったんですね。この2階席の結構良い場所を3人分で200ユーロで予約することが出来たんです。なんという幸運。

というより、実はこの旅行の計画の起点がこのオペラだったんです。親父が「スカラ座でオペラが見たい」と言い出したので、まずオペラのチケットを探してみたらこの半額デーの存在を知り、この9月9日にミラノに滞在するということから逆算して他の日程を組んでいったのです。これを予約したとき(8月上旬、タクミの結婚式に行く前)は飛行機のチケットすらまだ取っていませんでしたからね、本当に計画の起点がこれなんです。

なので本来はミラノ、ヴェネチアからフィレンツェに寄ってローマに行くという、よくある北から南下していくルートのはずが、先にフィレンツェに行ってミラノ、ヴェネチアへ行くというルートになったわけです。

 

 

恒例の一枚。この日の演目はヴェルディのリゴレットです。この作品を知らない人は多いと思いますが、それでもこのアリアだけは聞いたことがあるんじゃないでしょうか。

 

 

これはヒロインのジルダが恋心を寄せる相手、マントヴァ公爵が他の女を口説いてるのを目撃するときのアリアなのですが、初演のときに帰るお客さんが皆これを口ずさんでいたというエピソードがよくわかる、実にキャッチーな名曲ですね。

 

さて、先ほどの写真ではわかりづらいかもしれませんが、スカラ座のボックス席は最前列の2席が向かい合ってるんですよね。なので今回のような、ステージを左手に望むボックス席だと、右側に座ってる人はちょうどいいのですが、左側に座ってる人は常に体をひねってないとステージが見えないということです。ちなみに僕がそこだったので少し大変でした。パリのオペラ座(ガルニエ宮)はまっすぐ前を向いてる形式なので、これには少し驚きましたね。

 

 

ちなみにこれがパリのオペラ座です。だいぶ雰囲気が違いますよね。

 

いよいよ開演。主役リゴレット(バリトン)はLeo Nucci、ジルダ(ソプラノ)がEnkeleda Kamani、マントヴァ(テノール)がChuan Wang、外見と名前からして中国系だと思うのですが、他にも2人中国系っぽい人がキャスティングされていて、すごいですね中国。日本人でスカラ座でリゴレットの主演をやった人なんて、今まで一人もいないんじゃないですかね。

指揮はDaniel Oren、歌手出身のイスラエル人です。経歴を見るともっぱらオペラの指揮者として活躍しているようです。

スカラ座は2000年代前半の大改修で、各ボックス席に小さな字幕スクリーンが付けられたので、そこに英語字幕を表示させることができます。僕の席からは見えづらかったのですが、ちらちら見るだけでも十分役に立ちました。

 

 

これは第2幕、リゴレットが誘拐された自分の娘を返してくれと訴えるアリア、『悪魔め、鬼め』(Cortigiani, vil razza dannata)を歌い終わった後なのですが、このアリアが本当に素晴らしくて、ブラボーの声がとめどなく叫ばれて全然拍手が鳴りやまなかったんです。僕もずっと叫んでいました。1分間ぐらい拍手してたんじゃないですかね。劇中のアリアでここまで盛り上がった光景は初めて見ました。

ただ朗々と歌い上げればいいアリアではなく、道化として生計を立てる哀れな年寄りの、唯一の救いであり生きる目的でもある娘がさらわれたという、その悲痛な懇願と怒りがなんと見事に表現されていることか。本当に感動的でした。

 

 

舞台も奥行きや高低を活かしたセットや演出が多くて、見た目にも面白かったです。期待以上に素晴らしいオペラでした。

 

 

 

これは休憩時間に撮ったドリンクスペース。このようにバルコニーに出ることも出来ます。

 

 

プッチーニ。

 

 

トスカニーニ。

 

 

プログラムは1部15ユーロ。過去スカラ座で公演されたリゴレットの記録が紹介されています。左ページに載ってるのは1929年のトスカニーニが公演したプログラムです。

 

 

来たときと同じ道で帰りましたが、ここは夜でも明るかったです。素晴らしい出会いに感謝して宿へ戻りました。